『宇宙の森フェス』という野外音楽フェスを、5700人の小さな町で開催してみた結果。
どうもこんばんは、なかがみです。
久しぶりの更新すぎて、前に更新したのがいつだかもはやわかりません。
この沈黙の期間の間、かなり情熱をかけて取り組んでいた活動があります。
宇宙のまち大樹町で初の野外音楽フェス「宇宙の森フェス」です。
*宇宙の森フェス公式ウェブサイト
宇宙のまち大樹町で開催された、
「宇宙」と「自然」をテーマに、音楽・フード・アクティビティ・アートが楽しめる総合エンターテイメントイベント。
役場で私よりも4つも下の女の子が「まちでフェスをやりたい!」と一念発起したのがちょうど1年くらい前。
彼女の想いに胸を打たれて集まった9人の仲間たちで、
約1年の月日をかけて準備を進めてきました。
⬇️ 宇宙の森フェスについて知りたいひとはこちら ⬇️
*宇宙の森フェス togetter まとめ
*自分たちの手ではじめてのフェスづくり。北海道十勝の”宇宙のまち”大樹町で開催する『宇宙の森フェス』<前編>
今回 書きたいのは、宇宙の森フェスがどうだったかではなく、
フェスを開催することで町や周り、そして私の中に生まれた変化について。
①自分たちのまちは、自分たちの手で楽しくすることができる
私が暮らす大樹町は人口わずか5700人。
もちろん都会にあるような華やかなファッションビルもショッピングモールも、
流行りのカフェやレストランも、何一つない。
ないものなんてあげたらきりがありません。
まちを訪れたひとから
「若いひとたちってどこで遊んでるんですか?」
と半笑いで質問されたりします。
本人は悪気がないのはわかっていても、その質問がなんだか悔しくて、
でもうまく返せずにとりあえずハハハ〜と笑ったりしていました。
でも、いまならわかる。
「楽しみは、なければつくればいい」ということが。
小さなまちは、大きなまちとちがい、物事を起こすときの瞬発力がすごい。
小さいまちだとお互い顔を知っているので横のネットワークが強いし、
色んな団体や企業のトップの方に直接直談判に行けるくらい、距離も近い。
会場となるキャンプ場の使用も、役場と話し合いわりとすぐに許可をいただくことが
できました。
とにかく話が早い。
野外フェスなんてどうやればいいんだ?
一体いくら資金がいるのか?
赤字になったらどうしよう。
不安なことは挙げたらきりがありません。
しかし、本気でやればなんとかなるもの。
台風被害もあり、一時はどうなることかと思ったけれど、
当日は目標の500人を上回るたくさんのお客様の来場があり、
まさに会場の風景は思い描いていた「野外フェス」そのもの。
いや、それ以上。
Photo by 岩崎 量示
「野外フェスを作る」なんて、そうそうできるもんじゃない。
最高にクレイジーで、最高に面白いじゃないか。
フェス開催は本っっっ当に大変なので簡単にお勧めできるものではないけれど、
当日はそれまでのどんな苦難も帳消しになりそうなほど、
大きな感動や達成感で満たされてしまいました。
フェスはお客さんとして参加するのも楽しいですがが、
開催側は開催側の面白み・感動があるなあと思いました。
こんなの味ってしまったら、やめられなくなるじゃないか。
フェス開催までの数ヶ月も、今振り返ればめちゃくちゃ楽しかったんです。
とにかく大変だったけど、楽しかった。
みんなで廃校に泊まってひたすらミラーボールを手作りしたり、
夕暮れの廃校(また廃校w)で備品をチェックするのが肝試しそのものだったり、
真夏の暑い日にPRブースを出して干物のようになったり。
うまくいかないことも多いし、意見もぶつかってしょっちゅうイライラしたりもしてたけど。
でも、今振り返ると全部が楽しかったなあ。
当日も、それまでのプロセスも。すべて。
ないものは、つくればいい。
楽しみは、つくればいい。
これが、フェスの開催を通して、私たち自身が学んだことです。
②フェスの資金を集めるために、『稼ぐ』
これは、フェスのメンバーの中に生まれた面白い変化のひとつ。
フェスを運営するために「稼ぐ」という意識が芽生えはじめました。
フェスの運営資金の一部は、道庁の補助金を充てています。
しかしこの補助金は最長3年間しかもらえないので、残りあと2年。
さて、どうやってこの補助金部分を『稼ぐ』かが大きな課題。
「グッズの企画・販売はどうだろう?」
「イベントを主催するのも良いかもね。」
そんなアイディアが次々に出てくるようになりました。
事業を円滑にするために、NPO法人を設立しようか?なんて話もでてきました。笑
(気の合うメンバーで会社をやるのはこれまたかなり楽しそう!)
イベントのなかには、補助金に頼って、補助金が切れた途端にイベント自体も終了してしまうものもあります。
でも、フェスメンバーの意識は、
「やりたいことをやるために、誰かを頼りきるのではなく、自ら稼ごう」というモードに変わってきています。
これはフェス準備当初にはなかった発想で、
着実に自分たちの考え方が変わってきているのを感じます。
フェスを開催する資金を集めるために、
また新たなイベントや事業が町に生まれていったら・・・。
ますます大樹町は面白くなっていきそうです。
③一緒に活動できる仲間がいることの有り難み
地域おこし協力隊になって最初の一年で目標にしていたことがあります。
「一緒に活動できる仲間を5人つくること」
やっぱり、何かを起こすなら1人よりも複数人の方が楽しいし、
人の数だけ、できることも広がるはず。
基本的に私は誰かと何かを作ることが好きなので、
まずは仲間作りだ、と思っていたのが1年目。
着任から約1年半。
5人どころか、9人の仲間ができました。
ちなみに目標の「5人」という数字はなんとなくです。(なんとなく、5人いれば楽しそう。)
最近だと週末はよくメンバーの何人かと
BBQをしたり、野外でDJイベントをして遊んでいます。
新たなイベントの構想も生まれてきているし、
ないものを嘆くのではなく、「こんなことをやりたいね!」って前向きな話ができるのが心底うれしい。
仲間がいるというのは、とてつもなく大きなエネルギーです。
それだけで、町の暮らしは何倍も面白くなります。
そして、未来の可能性も一気に広がります。
仲間ができたこと、仲間になれたこと。
それが、宇宙の森フェスを通して私が手に入れたもの最大のものだと思っています。